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2005/01/20
From: CeMI事務局 |
火山視察〜ハワイ島で火山との共生を学ぶ
第2グループ視察報告
2005年1月5日(水)〜10日(月) |
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■1月7日
朝8時にホテルを出発した。本日のメーンターゲットは国立公園の海岸部で1983年以来展開されているプーオオ-クパイアナハ噴火の溶岩原である。飲料水と予めガイドに購入してもらった弁当をもって国立公園内の自動車道終点からパホイホイ溶岩の上に入った。遠方の崖の上部にはかすかに流下する溶岩により炎上する樹木の煙が遠望された。4km余り歩いてその現場の崖下に近づいたが、赤熱したパホイホイ溶岩の流出は見当たらなかった。
<冷却固結直後の溶岩原>
昼食を挟んで5時間に渡った溶岩原での行動を終えた後、マイクロバスでの帰路に2箇所を見学した。1972年溶岩がホレイパリの崖を下る地点には自動車道建設で出来た溶岩流断面がある。ここでパホイホイ溶岩とアア溶岩の断面構造を見た。次いでナパウ遊歩道を歩いてプーフルフル噴石丘の麓で溶岩樹型の構造を確かめると共に、噴火後30年を経過した溶岩原での植生の回復状況を観察した。
<アア溶岩の断面を見る>
ホテルには午後6時に戻った。各自夕食の後、夜のミーテイングではカラパナ集落が溶岩流に被災した状況のビデオを鑑賞し、その後は前夜に続き防災教育や防災行政に関した意見交換があった。
■1月8日
朝8時にホテルを出発し国立公園に向かった。まずキラウエアイキ火口の底に下りて固結した溶岩湖の表面を歩き、プープアイ噴石丘を作った1959年噴火のマグマ供給火道の露頭を観察した。
<キラウエアイキ火口底の溶岩湖上を歩く参加者>
その後南西リフトゾーンでバスを降りてリフトゾーンに降り1790年までに繰り返されたマグマ水蒸気爆発による火砕サージ堆積物を観察した。また、この場所で起きた1971年の割れ目噴火の噴出物の産状を見た。その後移動するバスの車中で昼食を済ませながら空港に向った。2時からはオプション企画のヘリコプターによる溶岩原探訪があった。案内者を含めて16名が3機のヘリコプターに分乗した45分程度のフライトでは数箇所で流動中のパホイホイ溶岩や炎上する森林が観察できた。フライトの後全員でカラパナ海岸に向った。溶岩流に埋まった道路と海岸を眺めてから、新たに形成されている黒砂海岸で多くの参加者が試料を採取した。帰路には溶岩流を避けてカラパナ集落から移設された教会を見た。
<ヘリから見た森林を焼く溶岩流>
夜はガイドのイクコさんの自宅に全員が招かれて家族7名全員とバスの運転手夫妻も加わったバーベキューパーテイが行われた。3日余りの現地見学の思い出話や「普通のツアー客とは違う主に先生たちの集団と聞いてはじめは乗り気ではなかったが、岩に熱中する“変な人達”と過ごして自分自身が火山について学ぶことが出来た。」というざっくばらんなイクコさんの感想を聞くことができた。思いがけずも実現した米国流のホームパーテイ、「今までツアーの参加者を招いたことはないし、これからももうやらないと思うよ。」というイクコさんご夫妻の飾らぬ話術に大いに盛り上がった一夜であった。
■1月9-10日
朝食後7時出発で大型バスに乗りヒロ空港に向った。ホノルルで更に1日滞在する1名を残して成田には夕刻に無事到着して5泊6日の視察企画を終えた。
<機上からみた滞在先のホテル>
雨による予定の変更は6日の一部のみで、おおよそ天気もよく予定したスケジュールをほぼこなすことが出来た。各地から集まった参加者は火山の噴火や噴出物、そして防災教育に共通の関心を持つため、まとまって行動することが出来た。現地ガイドのイクコさんの車中での巧みな話術と添乗員の道野さんの控えめながら行き届いた配慮に感謝したい。 |
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