雲仙普賢岳1991-95年噴火に伴って水無川流域では1991-93年に泥流による災害が発生した。堆積した火山噴出物が降雨によってもともとの河川を一気に流れ下り民家を埋めた(写真)。一方、20世紀最大の日本の火山災害(死者・行方不明者144名)である十勝岳1926年5月の大正泥流は、高温の火山噴出物が融雪を招いて発生した。 |
有珠山2000年噴火では、火口から熱泥流が発生し、1977-78年噴火後の泥流対策として造られていた流路工(西山川)を流下した。泥流の一部は溢れ出し、国道にかかっていた木の実橋を押し流し(写真)、周辺のアパートや公営温泉、小学校などを埋めた。火山灰や樹木、土石などを巻き込み流下する火山泥流は一般的な水の流れに比べて非常に大きなエネルギーを持ち、時に人家や橋などを流し去る力を持つことがある。被災地一帯は、現在、噴火遺構かつ砂防施設として利用され、小学校跡地にはビジターセンターができた。 |